お茶で、
 心を豊かに

日本の総合芸術とも言われる茶道

450年以上の歴史を持つこの伝統文化は、千利休が活躍した時代から今もなお、人々を魅了して止みません。

かつて貴重な飲み物だったお茶は、始まりは神仏に供えるものとして、歴史が下るにつれて、高貴な人や大切な客人をもてなすために用意されるようになりました。

茶道では、お客さまに「一服のお茶」を愉しんでいただくために、お茶の点て方や茶道具、懐石料理や菓子、茶室のしつらえなど、趣向を凝らします。

本当の幸せとは何か

茶三楽で働くスタッフは皆、様々なバックグランドを持っていますが、ここに来て初めて茶道の世界に触れる者も少なくありません。

稽古や茶会を重ね、また茶道の根幹となる禅の言葉や思想に触れることで、自らを内省し、自分にとっての本当の幸せとは何かを考えるようになったと思います。

例えば、五感を使ってお茶や菓子、料理を味わうこと-抹茶の美しい緑色や器を鑑賞し、香りを楽しみ、ゆっくりと味わう。

湯を注ぐときの音や、抹茶を点てる茶筅の音に耳を傾ける。
一服のお茶をじっくりと味わうことで、喉が潤されるだけでなく、こころが安らぐのを感じます。

繊細な季節のうつろいに目を向けること

日本には古くから、立春や春分、秋分といった、一年をより細やかに分ける「二十四節季」という暦があります。

節季ごとの草花や生き物、旬の食べ物、豆まきや柚子湯といった日本古来の風習は、現代の暮らしの中では見落とされがちです。

昨日はまだ蕾だった花が開く喜びや、空気や土の変化、そこに暮らす生き物たちの動き。
二十四節季を意識すると、一年を通して繰り返される自然の変化に気付き、そこに小さな喜びを感じます。

様々なことが目まぐるしいスピードで展開し、多くの情報があふれる現代社会では、忙しい日常に流されてしまい、そのような感覚を持つことは難しいかもしれません。

「こころが豊かになる一服」を

だからこそ、お茶を飲むことをきっかけにして、ふと心静まる時間を過ごしてほしい。
そう願って、ひとりひとりのお客さまに心を込めて、お茶をご用意しています。

私たちが店を構える嵐山には、四季折々の自然と、歴史ある建築物が織り成す美しい風景が広がります。
時代を超えて人々に愛されてきたこの土地で、美味しいお茶を飲んで、小さな幸せを感じる。

私たちは、そんな「こころが豊かになる一服」を、ご提供できればと思っております。